経団連 CSR調査2005・2024の運営課題の変遷

経団連の2005年と2024年の調査結果を比較すると、社会貢献活動の運営課題は**「体制の構築」から「経営戦略および人的資本経営との実効的な統合」へと変容**しています。

主な変遷の要約は以下の通りです。

1. 位置づけ:コンプライアンスから経営戦略・パーパスへ

  • 2005年: 相次ぐ不祥事や社会の関心の高まりを受け、**「コンプライアンス(法令遵守)」が最大の優先事項でした。活動はトップダウン(79.0%)**による「義務」としての側面が強く、不祥事を受けての社内改革がきっかけとなるケースも目立ちました。
  • 2024年: 活動の89%が経営理念やパーパスに関連付けられ、経営戦略の一部へと進化しています。また、人的資本経営の観点から**「社員の成長機会(77%)」**や「モチベーション向上(74%)」が主要な目的となり、活動の意義が高度化しました。

2. 体制:組織の「設置」から部門間の「実効的な連携」へ

  • 2005年: CSR推進部署を設けている企業は52.7%であり、まずは専門部署の設置や社内横断的な機関の構築が課題でした。
  • 2024年: 専門部署の設置率は**91%に達し、組織的な体制はほぼ定着しました。現在の課題は、人事や経営企画部門との「実効性ある連携」に移行しており、必要性の認識と実際の連携度の間に大きなギャップ(乖離)**が生じている点が悩みとなっています。

3. 評価:透明性の確保から社会的インパクトの数値化へ

  • 2005年: 報告書の発行(55.4%)などを通じた活動の透明性を高めることが重要視されていました。
  • 2024年: 77%が事後評価を行っていますが、「定量的な評価」や「インパクト評価」の実施に苦慮する企業が6割を超えています。投資家等への説明責任を果たすため、見えにくい成果をいかに「可視化」するかが20年来の難題として残っています。

4. 継続する最大の課題:「社員の参加・協力の広がり」

2024年調査でも、企画立案・実践における最大の課題は依然として**「活動に参加・協力する社員の広がり(70%)」です。2005年当時のトップダウン体制が残した「他人事」意識を払拭し、いかに社員一人ひとりを「自分事」**として巻き込むかが、時代を超えた共通の運営課題となっています。

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